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浮かせて打つ、新感覚ティー 【エアーティー】

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【全日本学童東京大会/準決勝❷】6連打で大逆転逃げ切り。レッドが3年ぶり全国

2026.07.10 |更新日:2026.07.10 2026リポート
【全日本学童東京大会/準決勝❷】6連打で大逆転逃げ切り。レッドが3年ぶり全国

 第46回全日本学童マクドナルド・トーナメント都大会の準決勝第2試合は、2022年の決勝と同一カードとなった。4年前は9対3の勝利で優勝しているレッドサンズ(文京区)が、今回も深川ジャイアンツ(江東区)を7対3で下し、3年ぶり5回目の全国出場を決めた。「小学生の甲子園」では8月8日の1回戦で、塩尻UNIONS(長野)と対戦する。一方、3位となった深川は、阿波おどりカップ2026(8月、徳島県)への出場が決まっている。

(写真&文=大久保克哉)

※記録は編集部。本塁打はすべてランニング

■準決勝2

6月6日◇郷土の森野球場

◇C面第2試合
レッドサンズ(文京)
 00502=7
 10011=3
深川ジャイアンツ(江東)
【レ】神谷、武内、大塚-原川
【深】寺門、狩野-西山
本塁打/佐藤(深)
三塁打/大橋(深)
二塁打/齊藤、原川、門田、野村(レ)
【評】先手を取ったのは深川。先発右腕の寺門大地が3者凡退で立ち上がるとその裏、一番・佐藤輝陽主将と狩野遥生の連打から一死三塁として、三番・大貫航幸太郎の内野ゴロ(野選)で1点を奪う。だが3回表、レッドは九番・並木恒太朗から驚異の6連打で試合をひっくり返す。二番・原川瑛仁主将が同点打、続く武内瑛汰が中前へ2点打、五番・山本駿翔も適時打、そして六番・門田千資の右犠飛で5対1に。レッドは5回にも八番・野村咲翔の適時二塁打で2点を追加。深川も4回に5年生・大橋正が適時三塁打、5回裏には佐藤主将が右越え本塁打、狩野も中前打で続いた。しかし、レッドは救援した大塚結心が落ち着いて3アウト目を奪ったところで、試合が既定の90分を過ぎており、7対3で決着した。

1回裏、深川は佐藤主将と狩野㊤の連打から一死三塁として、大貫がオープンスタンスからのゴロ打ち㊦で先制

3回表、レッドは九番・並木から五番・山本までの6連続長短打㊤で4点、さらに六番・門田の犠飛㊦で一気に5対1に

5回表、レッドは野村の2点二塁打㊤でダメ押し。深川はその裏に佐藤主将が左越え本塁打も、4点届かずタイムアップ

 

―Pickup HERO―
“不動心&全力”貫く投打二刀流にキュン

かみや・しゅん
神谷 駿
[レッド6年/投手兼遊撃手]

 打席から一塁への駆け方。それだけでも、身体能力やパーソナリティがある程度は読み取れる。
 レッドサンズの神谷駿が強力打線の一番にいるのは、「不変の全力走」も大きな要因だろう。その懸命な背中が仲間の心に火をつけ、試合の流れを呼ぶこともある。


 2月のフィールドフォースカップ準決勝もそうだった。レッドは山野ガッツ(埼玉※全国出場決定)に特別延長でサヨナラ勝ちしているが、その最後の攻撃で無死一、二塁から送りバントを決めたのが神谷だった。
 初球はセーフティ(ファウル)、次はきっちりと転がしてから駆け出した。タイミング的には、一塁セーフの可能性は低かったが、フルスロットルの全力走(=㊦写真)はベンチを沸かせ、筆者の胸まで熱くさせた。そして申告敬遠で満塁の後、押し出し死球で勝利。


 打力も高い選手だけに、打ってヒーローになりたい気持ちも山々ではなかったか。試合後の本人にそう水を向けると、サラリとこうかわした。
「いえ、そういうのは特に。攻撃に入るときに監督から『送りバント』と言われてたので、最初はセーフティ気味に。それを決められたら良かったですけど」
 チームは続く決勝で、豊上ジュニアーズ(千葉※全国出場決定)を破って優勝。あれから4カ月、二刀流の神谷は投打ともスケールアップしていた。

6日後の決勝では、最速102km(球場表示)をマークすることに

 もちろん、攻撃時の「全力」はやはり変わらない。準決勝は3打数2安打、3回のビッグイニングにあった6連打の2本目(=㊤写真)が神谷だった。
「この大会は自分の力を100%出せるように、頑張ってきました」
 投手陣の柱として、登録21選手全員が出場した3回戦以外はすべて先発し、ゲームをつくってきた。「全国切符」をかけた準決勝は開始8球で1点を失うも、大崩れしない“不動心”がエース右腕の真骨頂だ。


「やっぱり、全国出場がかかっていたので、プレッシャーとか緊張感がありました。で も、プレーそのものはいつもと変わらずにやれたと思います」
 2回裏には与四球の走者をけん制で刺し(=㊤写真)、3回表の猛攻につなげた。5対1と大逆転した後の3回裏は、降っていた雨が強まるなかで、ヒット2本と四球で一死満塁のピンチ。そして四番打者を迎えるも、注文通りの1-2-3併殺で切り抜け、主導権を確実なものにした。
「雨はそんなに気になりませんでした」
 4回は遊撃、5回の途中からは三塁を守って勝利の瞬間を迎えると、両手を広げて喜びを爆発させた。


「全国大会に行けるということで、夢のひとつが叶えられたのは満足です。自分の力というより、他の子たちといつも競い合いなので、みんなの力を合わせて全国優勝できるチームになるように貢献したいです」
 ほかの夢については、チームの悲願が叶ってから存分に語ってもらおう。

 

―Good Loser―
伝統も踏襲しつつ、父親監督とジャンプアップ

第3位

ふかがわ
深川ジャイアンツ
[江東区]
阿波おどりカップ2026出場決定

 2014年に東京3位(開催地代表)で全国デビューした深川ジャイアンツは、8年後の2022年には全国8強まで進出。今年はその2回とは異なり、父親監督の下で3回目の全国出場に王手をかけた。しかし、そこから勝ち切ることはできなかった。


「これが野球なのでしょうがない。よく頑張りました」
 準決勝で敗退後、寺門宏監督は感情を押し込むようにして、こう続けた。
「向こうの打撃が上でしたね。ウチは走塁を含めて、いけるところでいけなかった。取れるところで取れなかった。逆にレッドサンズさんは良いバッティングで点を取られたので、これはもうウチの負けだと思います」
 確かに、悔やまれる場面はあった。指揮官は言い訳をしなかったが、守りのミスは雨に濡れたボールが一因。攻めては一死満塁、一死三塁でそれぞれ本塁生還を阻まれたシーンもあるが、どちらも相手の投手力と守備力を称えたい内容だった。

先発の寺門㊤は3回につかまるも、イニングを投げ抜いた。捕手の西山㊦は5年生とは思えぬスキルと落ち着きぶりだった

 結果に焦点を当てるならば、1週間前の準々決勝だ。東京勢初の全国大会「4年連続出場」を期していた不動パイレーツを、9対7で撃破してみせた。
「初回にウチが6点取って、そのままの流れで進んだんですけど、不動さんはバッティングが良いので点を取られて追われて、何とか逃げ切ったという感じでした」(寺門監督)

試合前㊤も試合中㊦も、どこか昨年までにはないムードも

 不動は、深川に2年遅れて2016年に全国デビュー。それを含む直近10年間の9大会(※2021年は中止)で、実に6回も全国出場して2019年に3位、2023年に準優勝と、東京勢の歴史を塗り替えてきた。ここ数年で東京のレベルを一気に引き上げた立役者でもあり、今年のチームも多士済々だ。
 その強敵を破った自信や勢いは、続く準決勝でも見て取れた。昨秋の都新人戦準Vのレッドサンズに、鮮やかな先制パンチを食らわせた。

一番・遊撃の佐藤主将㊤は攻守で躍動。先制打点の大貫㊦は、中堅守備も目を引いた


 先発右腕の寺門大地が1回表を12球で終わらせると、裏の攻撃では一・二番の連打から大貫航太郎のゴロ打ちで1点。わずか8球で奪った先取点であることに加えて、無死一、三塁からの二盗を阻まれた直後であっただけに、心理的な効果も大と思われた。
 2回表には、レッドの四番に左中間を割られるなど、2安打されるも得点は許さず。ここまでは、明らかに深川のペースで試合が進んでいた。それも3回表、レッド打線の「6連打+犠飛」という神懸かり的な攻撃で一変するが、最後まで深川が上回っていたのは外野の守備力だった。
「外野へのライナーとかフライでも、特に伸びてくる打球に対して、しっかりと反応して捕ってくれたのは良かったと思います」(寺門監督)

3回表の長い守り㊤を終えて攻撃に移ると、先頭の九番・樋口睦人が執念の内野安打㊦

最後まで勝ちに徹し

 同日の準決勝第1試合に臨んだ、用賀ベアーズも外野陣が鍛え抜かれていた。東京の全国予選は学童用の特設フェンスがなく、外野の打球はすべてフリー。その広大なエリアをいかにカバーするか。これも上位進出のカギのひとつだろう。
 深川は中堅手の大貫が、特大飛球を複数好捕。左翼手の遠藤栄翔と右翼手の大橋正(5年)を含め、総じての深い位置取りゆえに「カンチャンヒット」を何本か許したが、それも懸命に追っての処理で打者走者を二塁までは進ませなかった。

 5年生の大橋は4回に中越えの適時三塁打(=㊦写真)。また六番・捕手の西山基俊も5年生だったが、この2人は最後まで交代せず。父親監督と6年生たちは思い出づくりに走ることなく、最後まで勝負を捨てなかった。
「6年生が9人いるなかで、出ている5年生2人はズバ抜けているので。戦力としてしっかりと迎えています」(寺門監督)


 2対7と5点差まで離されて迎えた5回裏。経過時間からして、おそらく最後になるだろうという攻撃では、先頭の佐藤主将が左越えの本塁打。狩野も中前打で続いた。以降は得点もヒットも生まれなかったが、どの打者も打ち急いではいなかった。
「負けて悔しいですけど、レッドサンズは強かったです。自分たちはみんなで声を掛け合ったり、いろいろ協力してきたことが良かったと思います」
 そう語った佐藤主将ら6年生たちは、4年時のジュニアマック(都大会)は予選敗退。そこから昨秋の新人戦は、都3回戦で用賀に打ち勝って8強入り。そしてこの全国予選は都3位と、階段をまた1つ上がった。

 チームの看板で野球をしていない。謙虚で懸命な姿も印象的だった。全国には届かず、涙したナインは大きな拍手をもらい、父親監督はこう結んだ。
「次の日曜、ジャビットカップの江東区決勝に向かいます」
 6月14日、深川はその一戦で逆転サヨナラ勝ちして4年連続9回目の優勝。またその後、8月の阿波おどりカップへの出場も決まったことから、同時期のジャビットカップのチャンピオン大会の出場切符は、区準Vの東王ジュニアに譲っている。


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